厚生労働省の医療広告ガイドライン(2018年)において、矯正治療のリスクや副作用についての記載が義務づけられました。
私自身は矯正治療で得られるメリットのほうが、矯正治療のデメリット(リスク)よりも大きいことを自分自身の体験(私は2度矯正治療を受けています)として理解しておりますが、矯正治療は、患者様自身が頑張らないといけない治療(お稽古事のようなものです)なので、決して「楽」なものではありません。
矯正治療のリスクや副作用についてご案内
矯正治療のリスクとしては、
- 1.
- 治療中は、不快感・痛みなどを感じます。
- 2.
- むし歯や歯周病になりやすくなるため、歯磨きを「とても」頑張る必要があります。
- 3.
- 通院頻度、装置の使用状況など患者さん自身の治療へ取り組みが重要です。これは治療成果や治療期間ならびにリスク因子に影響を及ぼします。
- 4.
- 矯正治療中に、歯根が短くなったり(歯根吸収)、歯肉が退縮(ブラックトライアングル)が生じます。
- 5.
- 歯が骨性癒着しているなど、歯が動かない場合があります。
- 6.
- 歯の状態によっては歯髄が失活する場合があります。
- 7.
- 治療中に顎関節症状が強く出る場合があります。
- 8.
- 歯の動き方には個人差があるため、治療期間が延長することがあります。
- 9.
- 患者さんの希望、装置の使用状況など種々の理由から治療計画を変更する場合があります。
- 10.
- 矯正治療後に、補綴物のやりなおし(BuildUp)、歯の形態修正(Reshape)などが必要な場合があります。
- 11.
- レントゲンやCT撮影時には、被爆の問題があります。
- 12.
- 抜歯やアンカースクリューなど観血的処置が必要な場合があります。
- 13.
- 金属アレルギーやラテックスアレルギーを発症することがあります。
- 14.
- 装置を撤去する際に、歯の表面(エナメル質)に傷がつく場合があります。また被せ物が脱離することもあります。
- 15.
- 顎の成長や加齢変化によって矯正治療後にも歯並び・かみあわせは変化します。
- 16.
- 矯正治療後は保定管理を継続的に行う必要があります。
- 17.
- 一般歯科のかかりつけ医(ない場合はご紹介します)にも継続的に通院する必要があります。
- 18.
- 何らかの理由により、矯正治療後に再治療が必要となる可能性があります。
当院では上記リスクに十分配慮して矯正治療を行っていますが、臨床的に全く問題は無い範囲ではありますが、なんらかの副作用はかならず生じます。
初回カウンセリング時に、「わたしには矯正治療が必要ですか?」と聞かれることがよくあります。
矯正治療は「受けた方が良い治療」ではありますが、「受けないといけない治療」ではありませんので、メリットとデメリットをご自身で判断されるものですので、「あなたにとって必要だと感じるなら、全力を尽くします」というのが私の答えです。
治療を引き受ける側にも信念と覚悟があることをどうかご理解ください。
「綺麗な歯並びとかみ合わせで人生を華やかにしたい!」「咬み合わせのズレから来る頭痛などを軽減したい!」を達成するためにはリスクについてもご理解いただいた上で、お互いに協力し合って行く必要があります。
かわさきノエル矯正歯科
院長 松原 望